高校生の帰宅風景を撮影したかったのですが、利用客は姿をみせません。1月の夕刻、寒くなってきました。断念です。 旅客定員28人の小さな船を出してもらいます。乗船時間が短いこと、自転車の利用客が多いことから、座席はありません。 夕日に映える大橋川を味わっていると、あっという間に対岸に到着しました。そしてあっという間に船は引き返して左岸に 到着しました。 簡単そうに見える操船ですが、常にこうはいかないそうです。特に冬の朝、濃い霧が立ち込める中で多くのシジミ漁の船が 出航します。川右岸(南側)から乗船する場合は登校する生徒たちがボタンを押してパトライトを点灯させ対岸に合図するのですが、 そのかすかな光に向かって他の船を避けながら蛇行します。経験と勘がものをいいます。 (松江市営バス)矢田の渡し・・・(左岸)16:05−【矢田渡船 約1分40円】→16:06(右岸)・・・徒歩2分・・・(日ノ丸バス)矢田 2013年1月の情報
桜島9:00−【大阪市営天保山渡船3分無料】→9:03天保山 2012年11月の情報
数分経つと、対岸の小船に動きが見られました。下流に向かっているようですが、やがて進路をこちらに変え、 その姿はしだいに大きくなります。第五中野丸、豪華にもお二人でお出迎えです。 愛知県側は乗り場のすぐそばに西中野バス停がありますが、一宮駅行きバスは2時間に1本ほどで、6分前に出たばかり。 少し離れた場所を通る稲沢市のバスも日曜運休。仕方なく、最寄の名鉄の萩原駅まで5kmほど歩きました。この渡船、 船頭の常駐する愛知県側から乗るほうがはるかに都合がよいようです。 震災の影響もあり付近の架橋の計画は遅れ、当分廃止の予定はないようです。年々姿を消す内陸航路、現役のうちに ぜひ乗船してみてください。 石田(岐阜県羽島市)12:38−【愛知県営西中野渡船5分無料】→12:43西中野(愛知県一宮市) 2012年9月の情報
鹿児島本線戸畑駅からまっすぐ北に伸びる、若戸渡船への幅の広い連絡道。 老舗のとんこつラーメン屋もあり、以前はもっと人通りが多かったことをうかがわせます。駅から5分ほど歩くと、 海が見え、見上げればはるか高い場所に真っ赤な若戸大橋がかかっています。その下に北九州の洞海湾で古くから活躍する若戸渡船の 乗り場と、戸畑バスセンターがあります。 船は橋を見上げながらあっという間に若松港に到着。筑豊本線始発の若松駅までは徒歩約10分の距離です。 鉄道愛好家の皆さんも、この航路を利用して、旅に変化を加えてはいかがでしょうか。地元の足の応援にもなります。 戸畑港−【北九州市営若戸渡船4分100円】→若松港 2010年3月の情報
今回は夜の船の活躍をご紹介します。 ある3月の夜、最終列車で徳山駅に着き、寂しく寒い夜の町を港に向けて10分ほど歩いて、 九州の国東半島へ渡るスオーナダフェリーの乗り場に到着しました。待合室は閑散、ただベンチで横たわる先客が一人のみ。 自動販売機のかすかな機械音だけが響く静かな部屋、温かい飲み物を体に注げば適度な眠気に誘われます。
早朝の竹田津の港には漁師の声が小さく響いていますが、数隻の漁船の灯りだけで、人の姿は見えません。 車の通行もない国道213号線を東へ。 早春の九州の夜明けは遅く、まさに「闇夜」。民家も外灯もほとんどなく、細い三日月の光をたよりに車道を歩きます。 この日の大分の朝の気温は1℃、口笛で「真夜中のギター」を奏でれば、暗闇に白い息が浮かびます。 しばらくして国見トンネルです。内部は灯りがあり、冷たい風も吹かず、ありがたい。 その後旧役場や郵便局を過ぎて、ようやく空が白んできた6:00頃、伊美港に到着しました。 終電で徳山に着いたはずなのに、早朝には国東半島の小さな島に・・・ こんな西村京太郎も驚くような芸当が出来るのも、 深夜、早朝に懸命に働く船会社の皆さんのおかげなのです。 徳山港2:00−【スオーナダフェリー2300円】→4:00竹田津港・・・(徒歩1時間)・・・伊美港6:20− 【姫島村営フェリー550円】→6:40姫島港 2007年3月の情報
参考までに、発着地の土生と弓削は、それぞれ「はぶ」「ゆげ」と読みます。正しく読めないと切符を買うときに困りそうですが、 弓削汽船の切符は乗船後に買えます。 因島と生名島の間の瀬戸は幅が300m足らずですが、ここを広島県と愛媛県の県境が通っていて、しばらくはこの県境上を 航行します。 やがて立派な弓削大橋と、弓削島の象徴である石灰山が視界に入り、あっと言う間に下弓削桟橋に到着。 桟橋には小さな待合室の他、町営バスのバス停やポストなどがありました。 土生港前・・・土生(長崎桟橋)15:20−【弓削汽船240円】→15:33弓削 2008年12月の情報
島国日本、鉄道やバスと違って、船にはいくつかの国際航路があり、独特の楽しみがあります。 対馬と韓国釜山と結ぶ航路は、高速船でわずか2時間。往復して「日帰り海外旅行」もでき、 実際に韓国側から大亜海運のドリームフラワー号で、日本を日帰り旅行してみました。 乗船当時の2009年においては、同航路はこの韓国の大亜海運1社のみで、予約には少し苦労をしました。 うれしいことに2012年現在はJR九州など3社が運行、便利になりました。 釜山の国際航路のターミナルは、地下鉄中央洞駅から歩くこと5分あまり、ここから下関や博多など日本各地へ船が運航されて います。釜山は古くからの港町で、アジア有数の漁港ですが、軍港という側面もあります。施設内では写真撮影も一部制限されています。 出国ゲートは2階。旅券や荷物の検査が終わると、船乗り場まで5分程度歩きました。予定より少し早めに出航することが あるので、早めに行動しましょう。原則として乗船手続きも出航の30分前までです。 リアス式の海岸線を眺めながら約1時間。船は急に右に梶をとり、厳原港へ。港には先客として博多と対馬を結ぶ大きな貨物船がいました。 小さな港ですが対馬最大の国際港、厳原の青い海や豊かな緑は心安らぐ情景です。いよいよ対馬に上陸です。 外国人の日本入国審査は指紋採取や写真撮影などに時間がかかり、日本人と分けられていないため先へ進めません。 結局30分もかかりました。ぜひ早めに下船しましょう。日本人が日帰りで対馬を訪れるのはやはり珍しいようです。 3時間観光する予定でしたが、出国審査時も最低30分前までには戻らなければならないので、 実質2時間しか滞在できません。それでも対馬藩主であった宗家の 菩提寺である万松院など、厳原の美しい町並みを駆け足で観光しました。 釜山港9:40−【大亜海運ドリームフラワー号(※)】→11:55厳原港 厳原港15:00(-10)−【大亜海運ドリームフラワー号(※)】→17:00釜山港 2009年5月の情報 ※2009年5月運賃 釜山⇔厳原 往復130000ウォン(約10500円) 他、釜山港でターミナル利用料など8200ウォン(約700円)、厳原港で油燃料油加算600円が必要でした。
約半分は欠航という恐るべき航路が東京都にあります。といっても、東京から南に約350km、日本一人口の少ない青ヶ島村への航路です。 東京を夜に出発し八丈島に朝到着する東海汽船、通常八丈島東側の底土港に到着します。一方青ヶ島への船は西側の八重根漁港から出航します。 (2012年4月現在 9:20到着、10:15発)青ヶ島行きが運航するかどうかは当日電話で確認できますので、事前に確認しておきましょう。 船の到着が遅れるとその日の乗継はできません。通常はタクシーで両港の間を移動しますが、 運が良ければ、八丈町営バスを乗り継いで西側に移動できます。(その実施例が以下にあります。この便の場合、底土港の最寄は 1.5km西の護神バス停で、八重根漁港の最寄は港から1kmあまり離れた歴史民族資料館前バス停です。いずれも駆け足になります。)
船内に飲食のための自動販売機はありませんが問題ありません。とても飲食する気にはならないからです。 小さな船のため大きく揺れます。船内には船酔い用のビニール袋と洗面器がずらっと並んでいます。情報を得ていたので、 あらかじめ薬を飲んですぐ寝ました。途中かなり揺れましたが、2時間あまりの意識はほとんどありません。 さて、この船の名は還住丸(かんじゅうまる)、この「還住」とは島への帰還を意味しています。青ヶ島には悲しい火山災害の歴史が ありますが、これは別の場所でご案内しているとおりです。 気がついて部屋から上階に出て外を見ると、いかにも火山島らしい赤と緑の青ヶ島が見えていました。この風景は実に 見ごたえがあります。 なお、その後の還住丸、私が乗った日を最後に、5日間連続で欠航したそうです。 さすが日本一欠航が多いと言われる航路、その魅力は簡単には味わえないようです。 (参考)「青ヶ島ブログ」・・・かつて島に暮らした方が 滞在中の船の運航などを記した島の貴重な資料です。 9:30(-30)八丈島(底土)・・・尾端9:41−【八丈町営バス180円】→9:49歴史民族資料館前・・・八丈島(八重根)10:30(-10)− 【還住丸2690円】→13:00青ヶ島(三宝) 2007年10月の情報(現在は時刻が少し変更されています。)
北海道と本州を結ぶ航路でも最も短いのが、この津軽海峡フェリーの大間航路。下北半島縦断の旅行者にはありがたい航路です。 また大間付近の方々にとっては、函館への通院や買い物で欠かせない生活航路です。廃止の声も聞こえるようになりましたが、 現在のところは新造船も決定しなんとか存続しています。最悪の事態にならないように「応援乗船」をしてみました。 港にはナッチャンworldという、日本最大級のフェリーが停泊していました。不採算のため現在は運航されていませんが、 高性能であるため同型船は自衛隊の訓練などで利用されたようです。 目を転じると少し貧相に見える白い船がありました。 全長83.44m、総トン数1529トン、旅客定員数470名。1時間40分で下北半島の大間とを結びます。 船体には「ばあゆ」とあります。インド神話の風の神であるヴァーユから名づけたとのこと。 悪天候も多い津軽海峡ですが、風雨に強く、比較的欠航の少ない自慢の航路です。 寒かったデッキから暖かい船内に戻ると、やがて睡魔に襲われます。船が海峡の荒波と格闘している様子はほとんど記憶にありません。 気がつけばまもなく大間港入港。さすが最短航路、陸の孤島と呼ばれる大間もあっという間です。 函館と対照的な寂しい港に平屋の待合室。しかしリュックを背負った外国人の方の姿もあり、主要航路であることが うかがえます。港の最寄りのバス停は根田内(ねたない)、港から歩いて数分です。数人の客がバスに乗り換えて むつ市方面に向かうようです。 大間はまぐろで有名。待ち時間があれば、ぜひ本場のまぐろを。本州最北端のまぐろ丼は絶品でした。 函館港9:30−【津軽海峡フェリー2200円】→11:00大間港 2009年12月の情報
春3月、桜咲く五島。福江港を博多へ向けて出港するフェリー「太古」。隣の座敷には一人の黒服をまとったシスター。 岸壁ではそれを見送るやはり多くの黒い姿。クリスチャンの多い五島ならではの風景です。 福江から3時間、少し遅れて目的の小値賀港に到着しました。わずかな乗り継ぎ時間で島を散策します・・・ 急いで引き返し、来た坂を下ります。小値賀と佐世保を結ぶ船が減便され非常に不便になり、 次の船を逃すとこの島で宿泊しなくてはならないのです。 もう一度にぎわう港を見渡して、子供の多さ、横断幕の書き込み内容からようやく事態を飲み込むことができました。 今日は今年度最後の日曜日、長年住み慣れた島をあとにする人が何人かいるようなのです。九州本土から赴任していた 学校の先生、この島で生まれ今日限りでこの島を去る新入社員。事情は多種多様ですが、見送る人の声の大きさ、 見送られる人の涙の多さ、そして幾重にも乱れ飛ぶ紙テープ・・・ どれをとってもこの島の生活が素晴らしかったという ことを教えてくれます。 福江港10:40−【野母商船フェリー太古3110円】→13:30小値賀港14:00−【九州商船フェリーなるしお2730円】→16:35佐世保港 2010年3月の情報 |